過払い金請求に関する検索数が多い色々なことを下記内容で記事にしてまとめてみました。
「過払い金とは」「過払い金が発生している可能性が高い方」「過払い金請求のメリット」「過払い金請求のデメリット」「過払い金請求に関する勘違い」「過払い金請求をするとブラックリストにのる?」「過払い金請求を自分で行なうリスク」「5%の利息を加えて返還を求める」「ギャンブルや浪費に使った借金も過払い金請求の対象です」「クレジットカードのリボ払いでも過払い金を請求できるのか?」「過払い金請求後のクレジットカード利用は?」「過払い金が返還されるまで」「過払い金請求に関するよくあるQ&A」「過払い金請求のご依頼は弁護士へ」参考にしていただき過払い金請求にお役立てていただけましたら幸いです。

過払い金とは

「過払い金」とは、クレジットカード会社や消費者金融(サラ金)に対して、本来支払う必要がない金額を過剰に支払ってしまったお金のことを指します。お金を貸す際に設定される金利は「利息制限法」に基づき、貸付額に応じて15%から20%に制限されています。
しかし、以前は「出資法」により最大29.2%の金利が合法とされていたため、カード会社は20%を超える高い金利を設定して利息を徴収していました。この法律の隙間で設定された金利は「グレーゾーン金利」と呼ばれます。後に、最高裁の判決によって、グレーゾーン金利で不当に支払わされていた利息は「過払い金」として返還を求めることが可能となりました。
また、法改正により、現在では出資法の上限金利が20%に引き下げられ、グレーゾーン金利は廃止されました。

■貸金業者が請求できる金利の上限は、「利息制限法」によって以下のように定められています。
・元本10万円未満:年20%
・元本10万円以上100万円未満:年18%
・元本100万円以上:年15%
しかし以前は、「出資法」で定められた上限金利29.2%までであれば刑事罰の対象にならなかったため、多くの貸金業者が利息制限法の制限を超える金利(いわゆる「グレーゾーン金利」)での貸付を行っていました。
2006年の最高裁判決を契機に、このグレーゾーン金利で支払った利息分については、借り手が過払い金として返還請求できることが認められました。

過払い金が発生している可能性が高い方

「改正貸金業法」が施行される2010年6月17日より前に借入をされた方は、過払い金の請求ができる可能性があります。
これは、2010年6月18日の改正貸金業法施行以降、カード会社などの貸金業者が利息制限法の制限を超える金利での貸付を行わなくなったためです。そのため、それ以前に借入をされていた方は、法定金利を超過する利息を支払っていた可能性が高く、その超過分が過払い金として返還の対象となります。

クレジットカードや消費者金融からの借り入れができる年齢は18歳からなので、2010年から18年を引くと1992年になります。つまり、1992年前後までに生まれた方はグレーゾーン金利で借り入れを行っていた可能性があると考えられます。

過払い金請求のメリット

過払い金請求を行うことの最大のメリットは、支払いすぎた金額を取り戻せることにあります。 返還された過払い金は、日々の生活資金として活用したり、将来への備えとして貯蓄に回したり、あるいは他の借入金の返済に充てたりすることができます。請求できる過払い金の額は、借入総額や取引期間などの条件によって個々のケースで異なってきます。
ただし、過払い金請求には時効があり、時効を迎えてしまうと、これらのメリットを受けられなくなりますので、十分にご注意ください!

過払い金請求のデメリット

過払い金請求には特にデメリットはありませんが、強いて挙げるとすれば、過払い金請求を行った貸金業者を利用できなくなる点です。これにより、その業者からの借り入れやクレジットカードの利用ができなくなる可能性があります。ただし、これは請求対象の貸金業者に限った話であり、すべての金融機関に影響が及ぶわけではありません。

過払い金請求に関する勘違い

【過払い金請求するとブラックリストに載るから嫌だ】
・返済が済んでいるカード会社に対して過払い金を請求しても、事故情報(いわゆるブラックリスト)には登録されません。一方、返済中の場合は一時的に事故情報に登録されることがあります。ただし、交渉の結果、そのカード会社からの借金が全て解消されるか過払い金が回収されれば、事故情報は削除されます。事故情報が削除されれば、新しいカードの発行やローンの契約に悪影響は出ません。

【契約書が無い、いつ借りたか覚えていない】
・契約書などの書類がなくても、過払い金請求を諦める必要はありません。カード会社には、すべての取引履歴を開示する法的義務があり、借金返済をしている方は、その開示された取引履歴を基に過払い金を計算し、請求を行うことができます。

【過去にキャッシングしていたけどカード会社を覚えていない】
・以前利用したカード会社の名前が思い出せなくても、過払い金の請求は可能です。 全国の貸金業者の取引記録を保持している信用情報機関に照会することで、あなたの過去の借入先を確認できます。ただし、信用情報機関は複数あり、それぞれ独自の照会手続きがあります。

【まだ返済の途中なので過払い金請求できない】
・カード会社への過払い金請求を躊躇する最大の理由は、「ブラックリスト登録への不安」です。このような場合、取引履歴を取り寄せて過払い金の計算を行う方法があります。過払い金の金額を計算するだけでは、ブラックリストに載ることはありませんし、取引履歴を取り寄せても、通常通り返済を続けていれば問題ありません。計算後、過払い金が現在の借入額を上回っていれば、完済前でも過払い金請求を検討することができます。この作業はあくまでも情報収集の段階であり、請求行為とは異なるため、取引への影響を心配する必要はありません。

過払い金請求をするとブラックリストにのる?

すでに完済済みのカード会社に対して過払い金を請求する場合、信用情報機関への事故情報登録はされません。
一方、返済が継続中の場合は、一時的に事故情報として登録されます。ただし、以下のケースでは事故情報は削除されます。
・過払い金額が残債務を上回り、借入残高がゼロになった場合
・過払い金が返還され、清算が完了した場合
事故情報が削除されれば、新たにカードを発行したりローンを組んだりする際に影響はありません。

なお、「ブラックリスト」という言葉がよく使われますが、実際にリストが存在するわけではありません。これは、延滞や破産などの事故情報が信用情報機関に登録されている状態を指す一般的な呼び方です。
重要なポイントとして、過払い金の返還請求自体は信用情報として記録される項目ではありません。特に、すでに完済している場合は、信用情報に影響を与えることはなく、将来的な新規カード発行やローン契約に支障をきたすことはありません。

過払い金請求を自分で行なうリスク

過払い金請求には、弁護士に依頼する方法と自分で行う方法の2つがあります。
■弁護士に依頼する場合
・弁護士に依頼するとカード会社への取引履歴の開示請求や支払いすぎた利息の計算(引き直し計算)、カード会社とのコミュニケーションなど、過払い金請求に必要な手続きを全て代行してもらえます。

■自分で過払い金請求を行う場合
・自分で手続きをする際には、必要な資料を集めたり、過払い金がどれだけあるのかを計算(引き直し計算)したりしなければなりません。また、過去に多くの弁護士と交渉してきたカード会社の担当者とのやり取りも求められるため、交渉時に不安を感じることから、気づかぬうちに少額で和解してしまうリスクも考えられます。専門的な知識や経験が求められ、失敗する可能性が大きいため、十分な知識と準備が必要です。

■自分で過払い金請求を行う場合、次のようなリスクがあります。
・過払い金を取り戻せないこと
・返還額が大幅に少なくなる可能性
・家族に知られるリスク
・裁判に発展する可能性
過払い金請求には、法律的な観点(取引の一貫性や時効、悪意の受益者など)に対処する必要があるため、法律の専門知識がない方が正確な主張を行ったり、貸金業者の主張に対抗したりするのは難しいです。したがって、弁護士に依頼することをお勧めします。

5%の利息を加えて返還を求める

過払い金については、「5%の利息を加えて返還を求める」ことが可能です。この利息が付くことを知って驚かれる方も多いでしょう。過払い金が発生している場合には、利息も含めて請求できることがあり、過払い金に対する利息は5%と定められています。
ただし、利息を付けて請求するためには、「悪意の受益者」であることを証明する必要があります。「悪意の受益者」とは、意図的に利益を得た存在を指し、過払い金の場合は「利息制限法の上限を超える金利を知りつつ貸し出していた業者」を意味します。一般的に、貸金業者が利息制限法の上限金利を知らないケースは少ないため、多くの場合、彼らは悪意の受益者と見なされます。このため、弁護士などの専門家に依頼すれば、その証明は難しくありません。

※民法 第704条本文(悪意の受益者の返還義務等)
悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。

※2020年4月1日以降に発生した過払い金については、しばらくの間、利率が年3%となります。ただし、2020年4月1日から2023年3月31日までの間に発生した過払い金に関しては、上乗せされる利息の利率も「年3%」となります。これは、2020年4月1日に施行された改正民法により、当面の法定利率が年3%と定められたためです(民法404条2項)。

【過払い金に利息を加えて請求したいと思った際の注意点!】
支払いすぎた金額に利息を加えて請求できる場合、過払い金がより多く戻る可能性があります。特に、取引期間が長かった方の場合、利息が上乗せされる年数が増えるため、利息なしで請求するよりも数百万円単位で金額が増加することもあります。ここでは、利息を加えて請求したい場合の注意点を説明します。
■利息を請求する際は、裁判を通じて行うことが一般的
まず、利息を加えた過払い金返還請求を行う際には、通常裁判を通じての手続きが必要になります。過払い金の返還請求には主に2つの方法がありますが、「任意交渉」では貸金業者が利息の上乗せに応じるケースはほとんどありませんので、過払い金を取り戻すまでに長い期間が必要になります。

ギャンブルや浪費に使った借金も過払い金請求の対象です

【ギャンブルによる借金も過払い金請求の対象? 】
・ギャンブルを理由に借金を抱えた場合、自己破産や個人再生などを検討することがありますが、過払い金請求においては借入の理由は重要ではありません。したがって、ギャンブルが原因の借金でも過払い金を請求することが可能です。
【ショッピング目的の借入でも過払い金が発生する? 】
・ショッピングのために行った現金の借入、例えばカードローンなどについても、過払い金が発生する可能性があります。しかし、後述するように、クレジットカードのショッピング利用やショッピングリボ払いは対象外となるため、注意が必要です。
【クレジットカード利用で過払い金は生じるのか?】
・ クレジットカードからの過払い金が発生するのは、キャッシングを利用した場合のみとなります。これは、ショッピング利用が利息制限法の適用外であるためです。キャッシングはカード会社から直接お金を借りることになりますが、ショッピング利用はカード会社が代金を一時的に立て替える形です。また、リボ払いにかかる手数料は“利息”とはみなされないため、過払い金が発生する余地はありません。
※借入を行った側に責任はないため、借金の理由は過払い金請求に影響を与えません。

クレジットカードのリボ払いでも過払い金を請求できるのか?

【リボ払いにおける過払い金が生じるケースとは?】
クレジットカードには、現金を借りる「キャッシング」と購入商品の代金を後払いする「ショッピング」の2つの機能があります。
・キャッシング(現金借入)
・ショッピング(商品代金の後払い)
どちらの機能もリボ払いで返済可能ですが、過払い金が発生するのはキャッシングのみです。ショッピングのリボ払いには過払い金は生じません。
キャッシングのリボ払いには過払い金が生じる可能性がある キャッシングのリボ払いでは、過払い金が発生する場合があります。具体的には次のような状況です。
・カード会社から借入をし、リボ払いで返済していた場合。
・クレジットカードでキャッシングを利用し、リボ払いで返済していた余地がある。
※銀行はグレーゾーン金利に基づく貸付を行ったことがないため、銀行からの借入をリボ払いにしても過払い金は生じない点には注意が必要です。

【ショッピングのリボ払いでは過払い金は生じない】
ショッピングのリボ払いでは過払い金が発生することはありません。過払い金が発生するのは、「利息制限法」の上限金利を超えて返済していた場合です。しかし、ショッピングのリボ払いにかかる「手数料」を規制しているのは「利息制限法」ではなく「割賦販売法」であるため、過払い金は出てこないのです。
・手数料は「割賦販売法」で規制
・「利息制限法」の対象外のため、過払い金は発生しない
【重要ポイント】
過払い金が発生するのは、利息制限法の上限金利を超えて支払った場合のみです。ショッピングリボは異なる法律で規制されているため、過払い金の対象外となります。

過払い金請求後のクレジットカード利用は?

【過払い金請求を行いたいが、クレジットカードが使用不能になるのは困る】
過払い金を請求すると、請求先の会社が発行するクレジットカードが使えなくなる可能性があることは確かですが、すべてのクレジットカードが利用不可になるわけではありません。過払い金請求を行った際に、どのような場合にクレジットカードが使えなくなるのか、逆に使える場合はどのような状況なのかを詳しく見ていきましょう。

【過払い金請求によってクレジットカードが使用不能になる可能性のあるケース】
過払い金請求をしたからといって、必ずしもその結果、クレジットカードが解約されたり、新たに作成できなくなったりするわけではありません。特に、借金を全額完済している場合は、過払い金請求に関連しない他社のクレジットカードが使えなくなることはほとんどありません。ただし、以下のような特定のケースでは、クレジットカードの使用や新規発行に影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
・過払い金請求をした会社が発行するクレジットカード
・過払い金請求をした会社と同じグループに属するクレジットカード
・過払い金請求を行った後も借金が残っている場合
これらのケースについて、一つ一つ詳しく見ていきましょう。

過払い金請求をした会社が発行するクレジットカード

クレジットカードの過払い金請求には重要な注意点があります。
まず、過払い金の請求対象は「キャッシング利用分」に限られますが、請求を行うと対象カードの利用が全面的に制限されます。これには通常のショッピング機能も使えなくなります。
また、同一会社が発行する複数のカードをお持ちの場合、1枚に対する請求であっても、保有するすべてのカードが利用できなくなるのが一般的です。さらに、その会社での新規カード作成も困難になることが予想されます。
特に、公共料金や家賃などの定期的な支払いにカードを使用している場合は、事前の対策が必要です。
・支払方法の変更
・ポイントの移行手続き
・残ポイントの利用
これらの措置を講じてから請求手続きを開始することをお勧めします。

過払い金請求をした会社と同じグループに属するクレジットカード

過払い金請求を行った会社と同じグループに属するクレジットカードについては、基本的に有効期限中に利用できなくなることはありません。ただし、新規カードの発行ができなくなったり、更新時の審査が厳しくなる可能性はあります。
過払い金請求は、過剰に支払ったお金を取り戻すための正当な権利の行使です。しかし、請求を受けた企業は、「支払いたくない」と考え、その結果として社内やグループ内で「この人は過払い金請求をした」という情報が記録されることがあります(自社情報ブラック)。したがって、新しくクレジットカードを作成する場合は、過払い金請求を行った会社とは無関係な企業を選ぶことをおすすめします。

過払い金請求を行った後も借金が残っている場合

借金が残っている金融会社に対して過払い金請求を行い、その過払い金を返済に充てても借金が完済できない場合、以下のような影響を受ける可能性があります。
・現在利用中の全てのクレジットカードが強制解約
・一定期間、新規クレジットカードの作成が不可能
これは、信用情報機関に「債務整理」として事故情報が登録されることが原因です。
ただし、すでに完済済みの金融会社への過払い金請求は、事故情報とはみなされません。
【具体例】
2つの金融会社A社(完済済み)とB社(借金残あり)があるケースで、A社のみに過払い金請求を行う場合は、信用情報への影響はありません。そのため、B社のクレジットカードを継続して利用することができます。

【信用情報に事故情報が登録されるケース】
借入や返済に関する履歴を記録した情報を「信用情報」と呼びます。
この信用情報には、以下のような問題のある取引履歴が記録されます。
・支払期日を過ぎても返済できなかった場合
・返済遅延により、保証会社が代わりに支払いを行った場合
・任意整理や自己破産などの債務整理を行った場合
このような履歴が記録されると、金融機関からの信用が得られにくくなります。その結果、クレジットカードの利用や新規の借入れが難しくなります。

過払い金を請求しても必ず信用情報に登録されません

過払い金の請求は「事故情報」には該当しません。ただし、過払い金を請求しても、請求先の借金を完済できない場合のみ「債務整理をした」として事故情報が登録されます。なお、カード会社によっては過払い金の請求を行った時点で「債務整理をした」という情報が登録されることもありますが、過払い金によって借金が完済されれば、その時点で情報は削除されます。

信用情報機関の事故情報

信用情報機関の事故情報は、一定の期間が経過すると削除されるため、「一生残る」ということはありません。「債務整理をした」という情報は、通常5~7年後に抹消されます。また、2022年11月4日以前の情報については、5~10年の期間が適用されます。

過払い金が返還されるまで

過払い金を請求する方法には、任意で交渉を行う方法と訴訟を起こし裁判を通じて請求する方法の2つがあります。もし金融会社から提示された金額が少なかったり、利息を加えての返還を希望される場合には、依頼者様の意向によって手続きが異なります。それぞれのプロセスについて詳しく説明していきます。

任意での場合

任意での交渉は、裁判に比べて短期間で過払い金を回収できる手段です。ただし、回収可能な過払い金の額は裁判の場合と比べて減少する可能性があります。ですので、「できるだけ早く解決したい」や「裁判は避けたい」と考えている方にとっては、優れた選択肢となります。任意交渉の大まかな流れは以下の通りです。
1.弁護士への問い合わせ・相談・依頼
2.金融機関への受任通知の送付
3.取引履歴をもとに過払い金を計算
4.金融機関への返還請求
5.金融機関との交渉
6.合意書の取り交わし
7.過払い金の返還
この流れに沿って進めることで、スムーズに過払い金を取り戻すことが可能です。

訴訟での場合

訴訟を通じた裁判での交渉は、任意の交渉に比べて大きな過払い金を回収する効果的な手段です。弁護士に依頼した場合、基本的には依頼者が裁判所に出向く必要はなく、弁護士が出廷します。裁判での交渉の一般的な流れは、以下のようになります。
1.弁護士へお問合せ・ご相談・ご依頼
2.金融会社へ受任通知の送付
3.取引履歴を基に過払い金計算
4.訴訟提起
5.第一回口頭弁論
6.和解交渉
7.和解成立
8.過払い金の返還
この流れに沿って進めることで、スムーズに過払い金を取り戻すことが可能です。

過払い金請求に関するよくあるQ&A

過払い金請求に関するよくあるQ&Aは、以下のようなものがあります。
Q. 契約書を紛失した場合、過払い金を請求することは可能ですか?
A. 契約書が無くても過払い金の請求は行えます。また、借り入れていた金融機関の名前が思い出せない場合でも、対応できることがあります。

Q. 過払い金を請求すると、ブラックリストに登録されてカードが使えなくなりますか?
A. 完済した金融機関に対して請求する分には問題ありませんが、借入中の金融機関に請求する場合、過払い金が残っている借金よりも多い場合は問題ありません。しかし、過払い金が借金よりも少ない場合は債務整理となり、ブラックリストに登録されてしまいます。ブラックリストに載るのを避けるためには、取引履歴を取り寄せて実際の過払い金の額を確認し、その後請求することで債務整理の対象にならないようにすることができます。

Q.貸金業者は取引履歴の開示を素直に開示してくれますか?
A.貸金業者による取引履歴の開示は、かつては法的な義務付けがなく、開示を拒否したり、不完全な情報提供に留めたりする業者が少なくありませんでした。転機となったのは2005年7月19日の最高裁判決で、この判決で貸金業者の取引履歴開示義務が初めて認められました。この判例を契機に、現在では大多数の貸金業者が取引履歴を開示する実務が定着しています。

Q.一部の貸金業者だけ過払い金請求を依頼できますか?
A.任意整理の特徴として、裁判所を通さない手続であるため、債権者(貸金業者)を自由に選んで整理を進めることができます。たとえば、金利の設定が低く過払いが発生していない貸金業者は除外し、高金利で取引をしていた特定の貸金業者だけを対象に、弁護士を通じて過払い金の返還請求を行うことが可能です。
どの貸金業者に対して過払い金請求を行うかの判断は、「取引期間の長さ」「契約時の金利水準」「現在の借入残高」これらの条件を総合的に検討し、過払い金が発生している可能性が高い貸金業者については、積極的に弁護士に相談することをお勧めします。

Q.返還された過払い金に税金はかかりますか?
A.返還された過払い金に課税されるかどうかは、返還を受けた人が借入先に支払った利息を必要経費として確定申告していたかによります。
一般的に、会社勤めの方などは、借入先に支払った利息を必要経費として申告しないことが多いため、その場合、過払い金の返還を受けても税金がかかることはありません。しかし、自営業などを営んでいる人で、借入先に支払った利息を経費として申告していた場合、過去に申告した経費が返還されるため、その金額は返還を受けた年の所得として計上し、課税対象になります。
また、過払い金そのものだけでなく、返還までの利息も回収できる場合があります。この利息も収入として扱われるため、税金がかかることになります。

Q.過払い金の請求を依頼してから、返還までにはどのくらいの時間がかかりますか?
A.過払い金を取り戻すためには、まず貸金業者に取引履歴を開示させ、それに基づいて利息制限法の法定金利を適用して引き直し計算を行います。取引履歴の開示期間は貸金業者によって異なりますが、弁護士に依頼すると通常1~3ヵ月程度で開示されることが一般的です。
その後、過払い金の返還を請求し、貸金業者との和解交渉を行います。和解が成立した後に過払い金が返還される流れになります。過払い金の請求から実際に返還されるまでには約2~3ヵ月かかるため、弁護士に依頼してから実際に返還を受けるまでの合計期間は3〜6ヵ月程度となります。ただし、もし任意和解が成立せず訴訟に移行する場合、訴訟提起から6ヵ月から1年ほどかかることもあります。
なお、訴訟を提起した場合でも、1~2ヵ月程度で和解が成立し、早期に過払い金が返還されることもあります。訴訟提起後の和解成立までの期間や過払い金返還のタイミングは、貸金業者の対応や裁判所の訴訟進行によって大きく左右されます。

Q.弁護士に依頼すれば、全額を必ず回収できるのでしょうか?
A.裁判所に訴えを起こし判決を得ることができれば、過払い金の全額に加え、発生した時点から年5%の利息(2020年4月1日以降に発生した場合は年3%の利息)を付けた額を返還してもらうことができます。しかし、判決を得るまでに1年程度かかることもあり、すべての取引履歴が開示されない可能性もあります。また、貸金業者が任意の支払いに応じない場合や、業者が経営難に陥り倒産してしまった場合には、過払い金を回収するのが非常に難しくなることもあります。こうした理由から、任意交渉の際には、返還金額の大小だけでなく、早期返還の利点も考慮し、必要に応じて多少の譲歩を行い早期の和解を目指すことを推奨する場合もあります。

Q.過払い金は消費者金融だけに限られるのでしょうか?
A.過払い金は、法律で定められた上限金利(利息制限法による15~20%)を超える利息を、長年にわたって支払い続けた場合に生じます。これは消費者金融での借入れだけでなく、法定金利を上回る金利で資金を借りている場合全般に当てはまります。例えば、クレジットカードのキャッシング利用でも、過払い金が発生するケースがよく見られます。

Q.過払い金返還請求の訴訟に関するリスクについて教えてください
A.貸金業者との話し合いによる解決が難しく、法的手段として裁判所への提訴を選択しても、依頼者の皆様に特段の心配はございません。
訴訟に関する手続きは弁護士が全面的に代行いたしますので、原則として裁判所への出廷は不要です。
ただし、全ての取引履歴が開示されていない場合や、計算方法や時効に関する争いが生じることがあるため、訴訟が長引く可能性があります。その結果、1年程度訴訟が続き、過払い金の返還が遅れることがあります。

過払い金請求のご依頼は弁護士へ

過払い金請求に関するご相談が増えており、多くの方々がそのメリットをよく理解されていると思います。しかし、弁護士事務所を利用することと司法書士を利用することには、それぞれ異なる特性がありますので、ここでその違いや過払い金計算の難しさについて詳しくご説明いたします。
【弁護士事務所と司法書士の違い】
弁護士は法的な紛争に対して幅広い知識と経験を持っており、特に過払い金請求のような複雑な事案に強いメリットがあります。一方、司法書士は主に登記や不動産、簡易裁判所での代理業務を行っていますが、過払い金請求に関しては、金額に制限があることに注意が必要です。例えば、司法書士は訴額140万円以下の案件を扱うことができるため、この点を考慮に入れる必要があります。
【過払い金計算の難しさ】
過払い金の請求において、計算は非常に重要なステップです。適切な計算を行わないと、請求できる金額を大幅に下回ってしまう恐れがあります。特に利息計算には様々な要因が絡むため、専門知識が不可欠です。混乱を避けるためにも、弁護士による正確な計算を依頼することをおすすめします。

弁護士は過払い金請求に特化した法律知識を持っています。これにより、適正な請求額を確保しやすくなります。過払い金請求は、適切な知識と経験がなければスムーズに進めることが難しい場合があります。弁護士事務所は、このプロセスを力強くサポートするための最良の選択肢です。信頼できる弁護士に相談し、あなたの権利をしっかりと守っていきましょう。

最後に

いかがでしたでしょうか?「過払い金とは」「過払い金が発生している可能性のある方」「過払い金請求のメリット」「過払い金請求のデメリット」「過払い金請求に関する誤解」「過払い金請求を行うとブラックリストに載るのか?」「過払い金請求を自分で行うリスク」「5%の利息を加えた返還請求」「ギャンブルや浪費による借金も過払い金請求の対象になるのか?」「クレジットカードのリボ払いでも過払い金請求ができるのか?」「過払い金請求後のクレジットカード利用について」「過払い金が返還されるまでの流れ」「過払い金請求に関するよくある質問Q&A」「過払い金請求のご依頼は弁護士へ」という頻繁に検索されるテーマをまとめました。
当法律事務所では、過払い金の存在について「無料診断」を行っております。無料診断には約5分ほどお時間をいただきますが、どうぞお気軽にご連絡ください。過払い金の可能性がある方には、金融機関から取引履歴を取り寄せて過払い金の計算を行います。また、過払い金請求にかかる弁護士費用は後払い方式を採用しており、依頼後に取り戻した過払い金から弁護士費用を差し引いてお返しいたしますので、自己負担ゼロで過払い金の回収が可能です。誤った情報でも心配はいりません。過払い金があるのかどうか、確認してみませんか?