アビリオ債権回収株式会社(以下、アビリオ債権回収)は、三井住友フィナンシャルグループに属する債権回収会社です。貸し付けを行っている企業ではないため、あまり馴染みがないかもしれません。しかし、アビリオ債権回収から連絡を受けるのは、深刻な状況を示唆(しさ)していますので、速やかな対応が求められます。
連絡を無視した場合、次のようなリスクが生じる恐れがあります。
・返済額に対して遅延損害金が加算され続ける
・2ヶ月程度の滞納でブラックリストに登録される
・訪問予告通知書が届き、自宅を訪問される
・裁判所から支払督促や訴状が送付される
・強制執行による差押えを受ける
なお、アビリオ債権回収は、既に消滅時効期間が過ぎた債権に対しても請求書や督促状を送り続けています。この行為自体は違法ではなく、時効の手続きを行わない限り、債権は依然として有効になります。
アビリオ債権回収から、過去の借金の請求や督促を受け取った後に直接連絡することにはリスクがあります。誤って「債務の承認」をしてしまうと、時効を主張できなくなる可能性があるため注意が必要です。
この記事では、アビリオ債権回収の特性、通知書を無視した場合のリスク、時効援用を活用した具体的な対処法について詳しく解説します。適切な対策を講じるために、ぜひご一読ください。
アビリオ債権回収株式会社とは
目次
アビリオ債権回収株式会社は、借入金の回収を専門に行う債権回収会社の一つです。借金や未払いの状況にある場合、電話やSMSで連絡を受けることがあります。これらの連絡は主に返済の見通しや支払日の確認といった事務的な内容です。粗暴な言葉遣いや責め立てられることはほとんどなく、冷静に対応することが大切です(具体的な対処法については後節をご参照ください)。
なお、アビリオ債権回収は2023年10月1日付けでセディナ債権回収と合併し、全ての権利義務を継承しました。アビリオ債権回収は、金融機関などからの委託や債権譲渡を受け、債権の管理と回収を行う会社であり、「サービサー」としても知られています。債権回収会社は、法律に基づいて貸金業者や金融機関からの債権を回収する権利を有しており、法務省から認定を受けて業務を遂行していますので、違法な手段での督促や取り立ては行いません。
【会社概要】
商号:アビリオ債権回収株式会社 [Abilio Servicer Co., Ltd.]
許可番号:法務大臣 第5号
設立日:1999年(平成11年)3月4日
「事業内容」
・債権の譲受業務
・債権の管理・回収受託業務
・債権売買業務
・バックアップサービサー業務
・システム販売業務
・事務代行・集金代行業務
・債権処理に関する相談コンサルタント業務
・その他の管理・回収全般にかかわる業務
事業所 本社:〒135-0061 東京都江東区豊洲三丁目2番20号 豊洲フロント6階
東京第一事業部:TEL. 0120-04-9292
東京第二事業部(管理直通):TEL. 0120-94-5486
東京第二事業部(営業直通):TEL. 03-6854-4672
東京第三事業部:TEL. 0120-94-1147
事業所 福岡事業部:〒812-0025 福岡県福岡市博多区店屋町1番35号 博多三井ビルディング2号館2F
フリーコール:0120-94-5534
督促連絡で頻繁に使われる電話番号:0120953761、0120049292
URL:https://www.abilio-servicer.co.jp/
アビリオ債権回収に債権を譲渡する主なカード会社一覧
【消費者金融】
・SMBCコンシューマーファイナンス株式会社(旧プロミス)
・プロミス
・モビット(※三菱UFJフィナンシャルグループとの合弁会社)
・新生フィナンシャル(レイク)
・AGビジネスサポート(旧アイフルビジネスファイナンス)
【クレジットカードローン】
・オリックス・クレジット
・ジャックス
・ 三井住友カード株式会社
・VISAカードローン
・マスターカードローン
【銀行カードローン】
・株式会社三井住友銀行
・SMBCカードローン など
【債権回収会社】
・アビリオ債権回収株式会社 (上記の貸金業者の債権を主に取り扱う)
アビリオ債権回収から届く通知書の種類
・支払意思確認通知
・支払通告書
・集金予告通知
・債権譲渡通知はお読みですか
・最後通告書
・ご連絡
・訪問に関する御連絡
・訪問予告通知
・法務部移管決定通知
・和解案のご案内
・和解のご提案 など
上記の通知が届いた際には、まず冷静に書類を確認してください。不安な方は、アビリオ債権回収に直接連絡する前に、弁護士や司法書士による無料相談を利用するのがおすすめです。
書類や連絡を無視または放置することによるリスク
アビリオ債権回収から届いた通知書を放置すると、以下のような重大な問題が起こる可能性があります。
・遅延損害金で返済額が増え続けます
・裁判所から支払督促や訴状が届き裁判所による法的措置が取られる場合があります
・給与や預貯金などの財産に対して差し押さえ処分が行われる可能性があります
・訪問予告通知書が届き自宅訪問される
このような事態を避けるために、通知書を受け取った際には速やかに適切な対処を行うことをお勧めします。
裁判を起こされる
アビリオ債権回収から法的手続きが開始された場合、裁判所からの通知が必ず郵送されます。これは訴状や支払督促の形で届きますが、この通知は非常に重要です。
放置せずに速やかに対応することをお勧めします。なぜなら、定められた期間内に答弁書の提出や異議申立てを行わないと、延滞金を含む債務全額の支払いを命じる判決が確定してしまうためです。その場合、あとから内容を争うことができなくなります。
このような通知を受け取った際は、お早めにご相談ください。適切な対応方法をご案内させていただきます。
財産や給料が差押えられる
裁判で支払いを命じる判決が出されたり、支払督促に対して異議を申し立てなかった場合、差押えされる可能性があります。差押えは、借金返済を目的として特定の財産を保護しながら強制的に現金化する手続きです。
差押えの対象となる財産には次のようなものがあります。
・給与
・預貯金
・土地
・建物
・自動車 など
特に給与や預貯金が差し押さえられると、生活に深刻な影響が及ぶ可能性があるため、迅速に対策を講じることが重要です。
債権回収会社が自宅訪問
アビリオ債権回収や依頼を受けた調査会社が自宅を訪れることがありますので、できるだけ接触を避けるようご注意ください。訪問時に借金について何か話してしまうと、時効が更新される可能性があります。万が一訪問者に出会った場合は、支払いの約束などはせずに「弁護士に確認します」「詳しいことは把握していません」と伝え、早めに帰ってもらうよう心掛けましょう。
アビリオ債権回収からの通知書への対処法
アビリオ債権回収から通知書が届いても、即座に支払いに応じる必要はありません。まずは落ち着いて、通知内容を確認することが大切です。以下では、通知書を受け取った後の対応手順と、確認すべき重要なポイントを順を追って解説していきます。
通知書の内容を確認する
まず、アビリオ債権回収からの通知書が正当な請求かどうかを確認することが重要です。具体的には、以下のポイントを確認してください。
・借入先の業者名
・借入の日時
・最後の返済日 など
もし通知書の内容に全く心当たりがない場合、架空請求の可能性が考えられます。特に次のような通知書が届いた際は、慌てて連絡したり、支払いを行ったりしないよう注意が必要です。
・複数の電話番号が記載されている
・振込先が個人名義の口座である
・担当者の連絡先が携帯電話の番号である など
心当たりがある場合は、以下の点に留意して慎重に対応するよう心がけましょう。
借金の時効による解決の可能性
最後の支払いからかなりの時間が経過している場合、時効を主張することで借金が消滅する可能性があります。
時効を適用するためには、以下の主要な条件を満たす必要があります。
・最後の取引から5年以上経過している(消滅時効の期間)
・10年以内に債権者から民事訴訟が提起されていない
・債権者からの請求に対して承諾(支払いの約束など)をしていない
ただし、借金の時効は、最後の返済から5年が経過しただけで自動的に成立するわけではありません。時効を有効にするためには、時効援用の手続きを行う必要があります。この手続きに誤りがあった場合、遅延損害金を含む借金全額を一度に請求されるリスクがあります。
借金が時効になっているかどうか不明な場合や不安を感じている方は、アビリオ債権回収に直接連絡するのではなく、まずは、借金問題を得意として扱っている弁護士や認定司法書士に相談することをおすすめします。
債務整理を活用する
債務の時効が成立しないケースでは、債務整理という選択肢を検討してみるの良いでしょう。債務整理は、任意整理、個人再生、自己破産の3つの方法きがあり、それぞれ特徴が異なります。借入金額や収入状況、生活環境、返済可能な金額などを総合的に判断し、自分に合った方法を選ぶことができます。
どの債務整理の方法が適しているか判断するには、借金問題に詳しい弁護士や認定書士を頼ると良いでしょう。
弁護士や司法書士の無料相談を利用する
アビリオ債権回収から連絡が来て不安を感じているなら、まずは専門家(弁護士や認定司法書士)への相談をご検討ください。特に時効の援用や債務整理をお考えの方は、弁護士や認定司法書士に相談することで、適切な解決方法が見つかる可能性があります。
借金問題の解決方法は、債務額や収入状況などによって大きく異なります。時効援用による債務消滅が可能なケースもありますが、個人での判断は難しいかもしれません。専門家への依頼には費用が発生しますが、確実な解決に向けた道筋を立てられる点で、その価値は十分にあると思います。
専門家を介することで、債権回収会社との直接のやり取りを避けられ、精神的な負担も軽減できると思います。
誤った選択が深刻な状況を招く可能性
アビリオ債権回収から通知が来ると、すぐに対応しなければならないと焦ってしまうかもしれません。ですが、あわてて行動を起こすのは得策ではありません。誤って行動すると、時効援用手続きを活用して借金をゼロにする大事な機会を逃す恐れがありますので、十分な注意が必要になります。
通知書を受け取ったときの注意点
通知書の内容を確かめる必要がある場合は、アビリオ債権回収に問い合わせをすることが可能です。その際、「返済の意向を示す応答」をしないよう十分に注意してください。
返済の意向を伝える具体例として以下のようなものがあります。
・「分割払いを希望します」と伝える
・調査依頼の回答書に記入し、返送する など
これらの行動を取ることで、「債務の承認」と見なされ、時効が更新されてしまう可能性があります。その結果、実際に支払う必要がなかった借金を返済しなければならなくなる恐れがあります。「少額でも支払いをしてほしい」「いつから支払いを開始できますか」といった相手の要求には応じないようにしましょう。
また、時効が成立しているか判断が難しい方や債務を承認してしまう危険がある方は、借金問題に精通した弁護士や認定司法書士の無料相談を利用することをお勧めします。
最後に
いかがでしたでしょうか?この記事では、「アビリオ債権回収株式会社とは」「書類や連絡を無視または放置することによるリスク」「アビリオ債権回収からの通知書への対処法」「誤った選択が深刻な状況を招く可能性」を詳しく解説してきました。
債務の時効援用は慎重な対応が必要な法律問題です。法律の専門知識がないまま債権回収会社と交渉すると、思わぬ事態を引き起こす恐れがあります。特に注意が必要なのは、時効を迎えた借金でも、誤って支払いを認めてしまうと新たな債務が発生してしまう点です。
このようなリスクを回避し、適切な解決方法を見つけるため、当事務所ではアビリオ債権回収から書類を受け取った方の無料相談を実施しています。法的手続きが必要となった場合の費用については、お客様の状況に応じて分割払いなど柔軟に対応いたしますので、まずは、無料相談をご利用ください。